コース設計

富澤誠造

私が自信を持って線を引いた代表作のひとつを、早く皆さんのお目にかけたい、とうとうその日がやって参りました。感無量と言うところです。アウト9ホールは日本庭園風に、対してイン9ホールは自然林を最大限に生かしてみました。みなさま、いかがでしょうか。
じっくり味わうほどに、加茂に私が託した本当の味が出てくるはずです。とにかく自然に恵まれたこの地、コース建設には持ってこいの地形に私が腕によりをかけました。必ずやご満足いただけることと確信しております。(1978年9月3日開場式典でのご挨拶)

【プロフィール】
千葉県印旛郡生まれ。少年時代から四半世紀におよぶグリーンキーパーを経て41歳でコース設計者となる。米国パインハーストNo.2など数多くの名門コースを設計したD・ロスも同様の道を辿ったが、芝草、土壌、水系など自然を学び精通することがコース設計に欠かせない証だ。富澤誠造氏はスケールの大きな作風で知られる日本を代表する設計家となり、手がけたコースは美しい景観を持ち、雄大かつ戦略性に富んだコースとして人気がある。モットーは「Fair and Sure」で、生涯に設計したコースは最多の100を超え、赤星四郎、井上誠一と並びわが国ゴルフコース設計の名匠と称えられる。

名匠亡き後、1984年関東プロゴルフ選手権開催を機に当初のIN/OUTを入れ替え、4年後には時代に先駆けてワングリーン改造に着手。米国から招聘した著名なシェーパーが自らブルドーザーを操り、陶芸家のごとく感性豊かに練りあげた造形美は見事で、名匠の和に洋のアメリカン・ゴルフ・テイストが加えられ難しくも美しい18ホールズに生まれ変わり今日にいたる。

富澤誠造設計コースの歩み(抜粋)

  • 千葉カントリークラブ川間コース(S32・千葉県)
  • 高坂カントリークラブ米山コース(S33・埼玉県)
  • 府中カントリークラブ(S34・東京都)
  • 琵琶湖カントリー倶楽部(S34・滋賀県)
  • 藤ヶ谷カントリークラブ(S36・千葉県)
  • 船橋カントリークラブ(S37・千葉県)
  • 諏訪湖カントリークラブ(S38・長野県)
  • 総武カントリークラブ(S39・千葉県)
  • 新津カントリークラブ(S40・新潟県)
  • 安達太良カントリークラブ(S41・福島県)
  • 日本カントリークラブ(S45・埼玉県)
  • 東蔵王ゴルフ倶楽部(S48・宮城県)
  • 足柄森林カントリー倶楽部(S49・静岡県)
  • 熊本空港カントリークラブ(S49・熊本県)
  • 東ノ宮カントリークラブ(S49・栃木県)
  • 万木城カントリークラブ(S50・千葉県)
  • 太平洋クラブ六甲コース(S50・兵庫県)
  • 上毛森林カントリー倶楽部(S51・群馬県)
  • 加茂ゴルフ倶楽部(S53・千葉県)

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